韓国SNSでは、定期的に「真似したくなるレシピ」が話題になります。特徴的なのは、必ずしも珍しい商品や高級食材から流行が生まれるわけではないことです。むしろ、身近な食材や既に知られている商品が、少し意外な食べ方に変換されることで、一気に拡散されるケースが目立ちます。
そして最も重要なのは、こうしたレシピが話題になることで、関連する商品が実際に購入され、試されるという点です。レシピのバズりは単なる話題づくりではなく、商品の購買行動に直結する流行であり、事業者にとって注目すべきポイントといえるでしょう。
最近の事例としてわかりやすいのが、「マヌルチョン・ビビンバ」です。マヌルチョンとは、にんにくの芽のこと。韓国では季節感のある食材として知られていますが、SNS上では「今食べないと1年待ち」という“今だけ感”とともに、ビビンバにアレンジする投稿が注目されました。NAVER上の検索数は2026年5月に20,900※まで伸び、Instagram投稿では135.5万再生、189.4万再生を記録した事例もあります。
※検索数はBlackkiwiによるものです。


このレシピが伸びた理由は、食材そのものの説明ではなく、「旬の食材を、肉・卵・タレと合わせてすぐ真似できるごはんにする」という見せ方にあります。難しい料理ではなく、見た瞬間に味が想像でき、家でも作れそうだと感じられる。つまり、季節感、簡単さ、ごはんに合う分かりやすさがそろっていたことが、拡散のポイントでした。
もうひとつの事例が、「ブルダック冷麺」です。ブルダックは韓国でも日本でもよく知られた人気商品ですが、SNSではそれを冷麺風にアレンジする食べ方が話題になりました。冷たいスープ、ユッケ、卵などを加え、「辛い×冷たい」という意外性と、見た目のインパクトで拡散されています。NAVER上の検索数は2026年5月に70,300※を超え、Instagram投稿では275.7万再生、187.6万再生を記録した事例もあります。
※検索数はBlackkiwiによるものです。


ここで重要なのは、ブルダック自体が新商品ではないという点です。既に人気のある商品でも、食べ方を変えるだけで、SNS上では新しい話題として見せることができます。「いつもの商品を冷やす」「違う料理の文脈に入れる」「トッピングで見た目を変える」。このような小さなアレンジが、ユーザーにとっては“試してみたい理由”になります。
韓国でバズるレシピには、いくつかの共通点があります。身近な商品や食材を使っていること。「それをそう食べるの?」という少しの意外性があること。そして、レンジだけ、混ぜるだけ、のせるだけといった、すぐ再現できる簡単さがあることです。
韓国SNSでは、料理の完成度以上に「自分もできそう」と思えることが重要です。動画を見た後に保存したくなる、週末に作ってみたくなる、友人に共有したくなる。そうした行動につながるレシピは、商品そのものの認知だけでなく、購買や再投稿にもつながりやすくなります。
さらに、このような韓国発の流行レシピは、韓国国内だけで完結するとは限りません。韓国SNSで話題になった食べ方が、訪日旅行中の買い物や日本商品の選び方に影響するケースも考えられます。韓国で見たレシピを再現するために日本の商品を探す、日本で見つけた商品を韓国風にアレンジして投稿する、といった流れが生まれれば、韓国市場と訪日インバウンドの両方に接点をつくることができます。
これは、日本商品にとって大きなチャンスです。実際に、日本商品のカップ麺アレンジ投稿で510.6万再生を記録した事例もあります。日本の食品、調味料、菓子、冷凍食品、インスタント商品は、韓国ユーザーにとって「少し新鮮だけど、日常に取り入れられる商品」として見せやすいジャンルです。そこに韓国で好まれる食べ方や、レンジ調理、混ぜるだけ、のせるだけといった簡単なアレンジを掛け合わせることで、商品は“紹介されるもの”から“真似されるもの”に変わります。

出典元:中央
また、韓国市場と訪日消費を両方狙いたい企業にとって、レシピ型コンテンツは特に相性のよい施策です。韓国国内ではSNS上の話題化や購入意欲につながり、日本側では訪日旅行中に「これを買って帰りたい」「日本で本場の商品を探したい」という行動につながる可能性があります。つまり、ひとつのレシピ投稿が、韓国での認知拡大と、訪日時の購買動機の両方をつくる入口になり得るのです。
ただし、単に「日本で人気の商品です」と紹介するだけでは、SNS上で広がりにくい場合があります。韓国SNSで重要なのは、商品紹介ではなく食べ方紹介に変換することです。この商品をどう食べるとおいしいのか。韓国の食材や食習慣とどう組み合わせられるのか。レンジだけで作れるのか。混ぜるだけで完成するのか。見た目は投稿したくなるか。こうした視点で設計することで、商品は生活者の中に入りやすくなります。
企業側にとっても、このレシピ型コンテンツは活用しやすい施策です。韓国のレシピ・自炊料理系インフルエンサーを起用し、商品を説明するのではなく、簡単レシピの主役として見せる。たとえば「レンジだけ」「混ぜるだけ」「のせるだけ」のように、再現ハードルを下げて設計することで、ユーザーが保存・再現・投稿しやすい流れを作ることができます。
韓国SNSで食品を広げる鍵は、商品のスペックを語ることだけではありません。その商品を使って、どんな食べ方ができるのかを見せることです。身近な食材や商品でも、旬、意外性、簡単さ、見た目の楽しさがそろえば、一気に話題化する可能性があります。
当社では、韓国SNS向けの投稿企画、レシピ型コンテンツ設計、インフルエンサー施策、アレンジレシピに関する支援実績があります。韓国市場で商品を話題化したい、既存商品を韓国ユーザーに合う食べ方で発信したい、また韓国市場と訪日消費を両方見据えたプロモーションを検討したい場合は、ぜひお気軽にご相談ください。