訪韓外国人客209万人、主要流通売上は6.4%増 オンライン比率60.8%に

韓国では、旅行市場の回復と消費チャネルの変化が同時に進んでいます。

2026年7月に韓国を訪れた外国人観光客は209万3,223人となり、前年同月比で20.8%増加しました。コロナ禍前の2019年7月と比較しても144.6%の水準に達しており、単なる「回復」を超えた伸びを見せています。

一方、韓国国内の主要流通企業26社の7月売上高も前年同月比6.4%増加しました。特にオンライン販売は8.5%増となり、対象企業の売上全体に占めるオンライン比率は60.8%に達しています。

旅行と消費という二つのデータから、現在の韓国市場の動きを見ていきます。

訪韓外国人客は209万人、2019年比でも44.6%増

韓国観光公社が発表した統計によると、2026年7月の訪韓外国人観光客数は209万3,223人で、前年同月の約173万人から20.8%増加しました。

国・地域別では、中国が約77万7,000人、日本が約33万人、台湾が約26万1,000人、米国が約15万人、香港が約7万6,000人となっています。

特に台湾からの訪韓客は前年同月比30.7%増となり、2019年7月比では229.4%と、コロナ前の2倍を超える水準まで拡大しました。

2026年1~7月の累計訪韓外国人数も約1,280万人となり、前年同期比21.3%増加しています。東アジアを中心とした国際旅行需要が引き続き活発であることがうかがえます。

主要流通売上は6.4%増、オンライン比率は60.8%

消費市場でも動きが見られます。

韓国産業通商部が主要流通企業26社を対象に集計した2026年7月の売上高は、前年同月比6.4%増加しました。

内訳を見ると、オフラインが3.2%増、オンラインが8.5%増となり、オンラインの伸びが全体を上回りました。

対象企業の売上に占めるオンライン比率は60.8%となっています。韓国の主要流通市場では、オンラインが消費の中心的なチャネルとして定着していることが改めて確認できます。

オンラインでは、デリバリーサービスや旅行・文化関連商品などを含む「サービス・その他」が17.5%増加したほか、食品が10.4%増、家電が11.4%増となりました。

猛暑に加え、夏休みや旅行シーズンによる需要が売上を押し上げたとみられています。

百貨店は17.9%増、大型スーパーは11.2%減

オフラインの業態別売上を見ると、違いがより鮮明に表れています。

百貨店は前年同月比17.9%増と大きく伸びました。海外有名ブランドやバカンス関連商品、冷房家電などを中心に幅広いカテゴリーで売上が増加しています。

一方、大型スーパーは11.2%減、SSM(企業型スーパーマーケット)は2.9%減となり、日常型の大型小売チャネルでは前年を下回りました。

オンラインで利便性を求める消費と、百貨店などでブランド性や体験、高付加価値商品を求める消費が同時に伸びている点は、現在の韓国市場を考えるうえで注目したいポイントです。

参考|台湾の7月小売市場と比較すると
台湾でも7月の小売業売上高は前年同月比7.7%増となり、百貨店は9.6%増、電子ショッピング・通信販売も5.9%増加しました。
韓国では主要流通企業26社の売上高が6.4%増と全体の伸び率は近い一方、百貨店は17.9%増、オンラインは8.5%増となっており、韓国では高付加価値型の百貨店消費とオンライン消費の伸びがより目立っています。

出典:台湾経済部統計処「2026年7月 卸売・小売・飲食業売上高統計」

訪日マーケティングで注目したいポイント

今回の二つの統計は、直接的に「韓国人の訪日旅行消費」を示すデータではありません。そのため、数字をそのまま訪日市場に置き換えて考えることはできません。

一方で、韓国を含む東アジア域内で国際旅行需要が高い水準にあること、また韓国国内ではオンラインを起点とした消費行動が大きな割合を占めていることは、訪日マーケティングを考えるうえでも参考になります。

特に韓国市場向けの施策では、旅行前のオンライン接点から、訪日時の店舗・施設体験、そして購買までを分断せずに設計することが、より重要になっていると考えられます。

また、百貨店売上の大幅な伸びからも分かるように、価格だけではなく、ブランド性や限定性、旅行・季節との関連性を持った商品への需要も強まっています。

訪日プロモーションにおいても、単純な商品紹介にとどまらず、「日本を訪れる理由」や「現地で購入する理由」まで含めた情報設計が、今後さらに重要になりそうです。

出典:
韓国観光公社「2026年7月 観光統計」
韓国産業通商部「2026年7月 主要流通業者売上動向」