韓国、7月発券分の燃油サーチャージを大幅引き下げ 海外旅行予約に回復の兆し
韓国で、海外旅行予約が再び増加する兆しを見せています。中東情勢の緊張緩和を受けて国際航空燃料価格が下落し、7月発券分の国際線航空券に適用される燃油サーチャージが大幅に引き下げられるためです。
韓国航空業界によると、7月発券分の国際線航空券に適用される燃油サーチャージは19段階となり、6月の27段階から8段階引き下げられます。燃油サーチャージの算定基準となるシンガポール航空燃料の平均価格は、前月比で17.5%下落しました。
大韓航空の場合、片道当たりの燃油サーチャージは、日本や中国などの短距離路線で6万1,500ウォンから4万6,400ウォンへ引き下げられます。米国のニューヨークやダラスなどの長距離路線では、45万1,500ウォンから34万4,000ウォンへ下がります。
長距離路線では、往復1人当たり最大21万5,000ウォンの負担軽減となります。夫婦2人で旅行する場合には、往復合計で最大43万ウォン程度の航空費負担が軽減される計算です。
燃油サーチャージの引き下げを受け、韓国の旅行業界では、すでに海外旅行予約が増加する動きが見られています。
韓国の旅行会社モドゥツアーでは、中東情勢の緊張緩和が伝えられた後の6月15~16日における海外旅行予約率が、前週同期比で68.4%増加しました。ハナツアーでも、6月15~17日の海外旅行予約率が、前週同期比で約30%増加したと報じられています。
これまで韓国では、高い燃油サーチャージや為替負担、中東情勢への不安などを背景に、日本や中国といった短距離旅行先への需要が相対的に強まっていました。
特に7~8月出発のパッケージ旅行では、中国と日本の予約が全体の半数以上を占めていたとされています。航空運賃への負担が大きい状況では、移動時間が短く、旅行費用を抑えやすい近距離路線が選ばれやすくなっていたと考えられます。
一方、今回の燃油サーチャージ引き下げにより、今後はベトナムやヨーロッパなど、中・長距離旅行の予約回復も期待されています。
ハナツアーによると、最近ではベトナムやヨーロッパ方面の予約増加率が、前週比で約2倍に伸びています。夏休みシーズンや秋夕連休に向けて、韓国人の海外旅行需要がさらに拡大する可能性があります。
ただし、韓国旅行業界では、長距離旅行が本格的に回復するまでには、一定の時間がかかるとの見方もあります。
長距離旅行の需要は、燃油サーチャージだけでなく、為替レートや航空座席の供給状況、旅行者の休暇日程など、複数の要因に左右されるためです。
そのため、7月の予約が一気に急増するというよりも、下半期の秋夕連休や冬休みシーズンを中心に、段階的に需要が回復していく可能性が高いと見られています。
G・Laboの視点
今回の燃油サーチャージ引き下げは、航空券価格そのものを下げるだけでなく、韓国人旅行者の海外旅行に対する心理的な負担を和らげるきっかけになると考えられます。
特に韓国では、航空券価格や為替の変化に反応して旅行先を比較・変更する傾向が強く、費用負担の軽減が予約行動に直結しやすい市場です。
日本は、すでに韓国人旅行者にとって、移動時間が短く、航空路線も豊富な主要海外旅行先となっています。今回の燃油サーチャージ引き下げによって、夏休みから下半期にかけての訪日需要がさらに後押しされる可能性があります。
一方で、航空費負担の軽減によってベトナムやヨーロッパなどの中・長距離旅行も選びやすくなるため、日本にとっては追い風だけではありません。
韓国人旅行者に継続して選ばれるためには、「近くて行きやすい」という利便性に加え、季節限定の体験や地域周遊、買い物、グルメ、イベントなど、訪日の具体的な目的を提示することが重要です。
航空価格が下がり、旅行先の選択肢が広がる局面では、単純な価格訴求よりも、「今、日本へ行く理由」を分かりやすく発信することが、訪日プロモーションにおける重要なポイントになります。
出典
出典元:
・韓国経済新聞「확 내린 유류할증료…해외여행 예약 늘었다」(2026年6月17日)
https://www.hankyung.com/article/2026061725921・アジア経済「여보, 43만원 줄어드는데 해외여행 갈까?…전쟁 끝 분위기에 유류할증료도 ‘뚝’」(2026年6月17日)
https://www.asiae.co.kr/article/2026061615433674494