台湾人の訪日旅行というと、東京、大阪、京都といった定番都市を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。

実際、東京都の年間訪問者数は約376万人、大阪府は約206万人、京都府も約113万人と、三大都市圏の存在感は依然として大きいです。

※本データは宿泊統計に基づく延べ訪問者数を含むため、同一人物が複数地域を訪問・宿泊した場合は重複して計上される可能性があります。実際の訪問者実数とは異なる点にご留意ください。
※三大都市圏として、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)大阪圏(大阪・京都・兵庫)名古屋圏(愛知)で計算しています。

しかし、訪問者数の全体を見ると、台湾人旅行者の行き先はすでに大きく広がっています。年間訪問者数は約1,969万人規模に達しており、そのうち三大都市圏(首都圏・近畿圏・中京圏)が占める割合は約46%。つまり、残りの約54%は、東京・大阪・京都などの定番都市以外のエリアを訪れている計算になります。

これは、地方自治体だけでなく、鉄道・地下鉄などの交通事業者、空港、商業施設、商店街、観光協会、地域ブランドにとっても重要な変化です。台湾人旅行者は、すでに「有名都市の中心部」だけではなく、地方都市、駅周辺、商店街、カフェ、自然スポット、ローカルな街歩きまで旅の選択肢に入れ始めています。

今問われているのは、「台湾人旅行者は地方や周辺エリアに来るのか」ではありません。
「自分たちの地域・駅・施設・路線が、次に選ばれる理由を持っているか」です。

九州・沖縄に見る地方旅行の定着

地方訪問の中でも、特に存在感が大きいのが九州と沖縄です。福岡県は年間約132万人を集めており、地方エリアの中でも突出した規模を持っています。さらに熊本県、大分県、長崎県などを含めると、九州全体の訪問者数は約217万人を超えています。

これは京都府の約2倍に相当する規模であり、台湾人旅行者にとって九州が「東京・大阪の次に行く地方」ではなく、ひとつの独立した旅行圏として定着しつつあることを示しています。

沖縄県も年間約194万人と、全国4位の訪問者数を記録しています。地理的な近さや航空路線、リゾート需要といった要因はありますが、重要なのは、台湾人旅行者がすでに「地方を主目的にした旅」を選んでいるという点です。

人気の台湾人による沖縄紹介例

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一方で、石川県、香川県、岡山県、熊本県なども一定の訪問者を獲得しています。つまり、地方旅行の可能性は、一部の有名観光地だけに限られていません。

空港から市街地へ向かう途中の駅、観光地と観光地をつなぐ路線、地元の人が使う商業施設、まだ海外旅行者に知られていない商店街にも、十分にチャンスがあります。

台湾人旅行者の訪問先が広がっている今、地域側に必要なのは、単に「観光資源がある」と伝えることではありません。台湾人旅行者がその場所を見つけ、保存し、旅程に入れ、実際に訪れたくなる理由をつくることです。

地方旅行が広がっている今、次に重要になるのは、「どのような場所が台湾人旅行者に選ばれ、SNS上で話題になるのか」という視点です。次篇では、具体的なバズ事例をもとに、台湾人旅行者が反応しやすい場所の共通点を見ていきます。